恋愛下手な年下研究者の実験体になりました。
夢は体をビクっとさせて、夢から目覚めた。夢はぼやけた目と頭で、周りをキョロキョロと見渡す。
「あれ………私、なんで寝て…………。あ、律紀くんの看病に来てたんだ。」
夢はベットに頭を預けて座ったまま寝てしまったようだった。
そして、右手は何故か彼の胸の上に置かれていた。そして、夢の左肩には律紀の手が乗っている。
ほのかに温かい彼の体温が服越しに感じられる。
「そうだ……。頭を2人で撫でながら、私まで寝ちゃったんだ。」
夢は、自分が気持ちよく寝てしまったことを、恥ながらも幸せな気持ちになっているのを感じた。彼のぬくもりと呼吸の音がとても安心できるのだ。
「食器片付けて、帰らないと………って、もうこんな時間!?終電は間に合わないかな。」
律紀の寝室にあった時計を見て、夢は驚いてしまった。寝ている間に日付が変わる少し前になっていた。
「………夢さん?」
「あ、ごめんね。私、寝ちゃったみたいで……….。片付けして、そろそろ帰るね。鍵だけ閉めてほしいんだけど。」
「……もう夜中だから危ないよ。送っていく。」
「それはだめ!律紀くん、体調悪いんだから。」
「………今日は随分お姉さんっぽいね。」
「私はこれでも年上なの。」
いつもはどんな風に見ているんだろう?そんな事を思いながらも、彼を叱るように見つめると、律紀くんは渋々「わかった。」と言ってくれた。
夢は納得してくれたと安心したけれど。律紀のわかったは、夢の考えとは違っていた。