水瀬くんは浮気をする生き物です
Data01*水瀬くんと私
「最っ低!!」
涙声と、なにかが弾けたみたいな乾いた音。
昼下がりの校舎に響き渡ったそれは、お弁当をつつくみんなの手を止めるには十分すぎた。
突然のことにびっくりして落としかけた卵焼きをなんとかお弁当箱でキャッチして、私も恐る恐るみんなと同じ方向へと目を向けると、そこには一組のカップル…ううん、カップル"だった"二人。
「あーぁ、今回は派手だねえ」
「ちょ、ちょっとユキちゃん!」
みんなが息を飲む教室でぽつりと呟かれた声はやけに響いて、本人たちにも聞こえちゃうんじゃないかって慌てて親友に向かってしーっ、と人差し指を立てた。
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