水瀬くんは浮気をする生き物です
「残念。交渉決裂」
「や、やめて…っ!」
ネックレスは大きく振りかぶった高坂さんの手から離れて私の頭の上を通ったかと思えば、そのまま音を立てることなく静かにプールに沈んでいった。
どうしよう…!
うちの学校は水泳部が強くて競技用の本格的なプールだから大きい。
水泳部じゃない私はもちろん入ったことなくてどんな深さかも見当がつかないけど、今はそんなこと構っていられない。