水瀬くんは浮気をする生き物です
「俺、ああいうの嫌だって前言わなかった?」
放課後。
いつもの空き教室で口を開いた俺を見て、目の前の人物がわざとらしく小首を傾げた。
「なんのこと?莉々、なんかした?」
「したでしょ。普通にバレるから」
俺の席は窓際の一番後ろで、そこからはプール棟と本校舎から続く渡り廊下がよく見える。
昼休みに莉々と心和がプール棟に入っていくのが見えて、嫌な組み合わせだな、と思いながら気にして見てたら案の定莉々しか戻ってこないし。
いくらとぼけたって分かるっつの。