水瀬くんは浮気をする生き物です



「いーの。これくらいさせてよ。ていうか家どの辺?最寄り駅とか」


「最寄りは桃の台、です」


「あ、ほんと?俺梅ヶ丘だから同じ路線だよね」



鞄に伸ばした手はいとも簡単にかわされ、話も逸らされて。



「あと、敬語じゃなくていいよ。同じ2年でしょ?」


私を映したダークブラウンの澄んだ瞳がにっと横に伸びる。



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