水瀬くんは浮気をする生き物です



角度を変えて何度も何度も重ねられる唇に、頭がクラクラする。



この間みたいに触れるだけとは違う、大人のキス。



「っ、んぅ…っ」



こんなのしたことないから分かんないけど、蒼くん、絶対上手。



時折ちゅ、と舌を吸われて、ぞくりとすると同時にお腹のあたりが甘く疼くような、不思議な感覚になって。



息継ぎの仕方もよくわからなくて苦しいけど、嫌じゃない。

嫌じゃない、けど…



「っ、は、蒼く…っ」



「ん、」



「誰か、きたら…っ」



「大丈夫、見えない」



不安になってなんとか声を上げたけど、またすぐ塞がれてしまって、されるがままだ。




< 189 / 234 >

この作品をシェア

pagetop