水瀬くんは浮気をする生き物です
確かに大きな植木の陰になっているし、一本入った住宅街だから街灯も少ないけど、仮にも屋外…!
どうしよう、恥ずかしい。恥ずかしいし、いつ誰かに見られるんじゃないかってそわそわする。
なのに、やめてって言えない、よ。
無意識のうちに蒼くんのシャツにしがみつくように手をかけてしまっていて、どんどん力が入って。
「ごめ、やり過ぎ…!」
「ふぁ…っ!」
気付いた蒼くんが小さなリップ音と共に離れると一気に酸素が流れ込んできて、それと同時に足が勝手にへなへなとその場に座り込んでしまった。
「っ、こ、腰が、抜けた………」
そして多分、骨抜きにされるっていうのもこういうことなんだろうなと思う。