水瀬くんは浮気をする生き物です



「ごめん、立てる?」



「っ、う、ん…」




差し出された蒼くんの手に引き上げてもらうようにして何とか立ち上がったけど、どんな顔すればいいのか分かんない…!




「あ、の、」



「ん?」



「上手く出来なくて、ごめんなさ、い」




きっと歴代の彼女さんたちは蒼くんと同じように経験豊富で、もっと余裕のあるキスができたんだろう。



でも私はついていくのがやっとで、蒼くんの思うようにできなくて、不甲斐ない。




「こ、こういうのって、れ、練習?したりすれば上手くなれるの、かな…?」




「練習って、なにそれ」




蒼くんにもう一回したいと思ってもらえるようになりたくて遠慮がちに問うと、クスクスと笑われてしまった。



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