水瀬くんは浮気をする生き物です




「添い寝、する?」



「え…」



「1限サボろう?多分保健室ガラ空きだし」




学校につくと、下駄箱で靴を履き替える私にこそっと耳打ちする蒼くん。




「で、ででででももうすぐ期末テストあるし…っ」



「いいよそんなの。俺が教えてあげる」




…学年一位の人にそう言われるとなあ。



うちのクラスの1限は確か現国…だったっけ。




苦手科目じゃないし、少しくらい大丈夫だよね…?




「…さぼ、る」



「うん、そうこなくっちゃ」




今日も眩しい、蒼くんの笑顔。



堂々と繋がれた手は、もう何度目か分からないのに相変わらず熱を帯びて。





「おいで」




誰もいない保健室のベッドに腰掛けた蒼くんの声に、素直に従った。



< 197 / 234 >

この作品をシェア

pagetop