水瀬くんは浮気をする生き物です
「添い寝、する?」
「え…」
「1限サボろう?多分保健室ガラ空きだし」
学校につくと、下駄箱で靴を履き替える私にこそっと耳打ちする蒼くん。
「で、ででででももうすぐ期末テストあるし…っ」
「いいよそんなの。俺が教えてあげる」
…学年一位の人にそう言われるとなあ。
うちのクラスの1限は確か現国…だったっけ。
苦手科目じゃないし、少しくらい大丈夫だよね…?
「…さぼ、る」
「うん、そうこなくっちゃ」
今日も眩しい、蒼くんの笑顔。
堂々と繋がれた手は、もう何度目か分からないのに相変わらず熱を帯びて。
「おいで」
誰もいない保健室のベッドに腰掛けた蒼くんの声に、素直に従った。