水瀬くんは浮気をする生き物です
…かと言って、私だって気になるものは気になるわけで。
「まさか本当に浮気するなんて…!」
「本当に最低!有り得ないから!」
「顔だけ男!さよなら!!!」
平和なはずのお昼休みに金切り声を上げて泣きながら怒る女子生徒とは裏腹に、慣れている様子で対応する男子生徒。
反論しているのか、はたまた弁解しているのか…聞こえないけれど、きっと彼のことだから前者だろう。
走り去る女子生徒の背中を一瞥したかと思うと、そのままスタスタと歩き出す長い足。
「心和(ここな)もなーんであんなのに惚れるかねぇ」
「う、うるさいよユキちゃんっ」