水瀬くんは浮気をする生き物です
あれ以来、会話どころか挨拶すら交わすことなく気付けば高校生活も2年目に突入してしまって。
「心和みたいなウブな子にはもっと誠実な人を好きになって欲しかったんだけどなー」
残り少なくなったいちごオレを、ストロー経由でズズっと音を立てて飲み干したユキちゃんは、1年生の時に仲良くなった大好きな友達。
幸運なことに2年生でも同じクラスになれて毎日行動を共にしているけど、本音を言えば水瀬くんとも同じクラスになれたら良かったな、なんて。
なんにもなかったみたいに隣のクラスである2年B組へと戻っていく水瀬くんの横顔を眺めながら思う。