実話、私は風俗女性記者でした!
ネオンが光っている間は、それなりに明るい。

でも、店が終わるとネオンも消えて風俗店街は静まり返っていく。

今回の取材は、午前1時から。

周囲のお店の電気はもう消えて、街は廃墟のように不気味で薄暗かった。

入社して初めての出張にうかれていた私は、この不気味な街を不気味だと思わなかったんだよ。

早めに着いた私は、のんきにお店が終わると現れる人達を観察していた。

その人たちは、交差点に立ち、何かを待っている様子だった。

50代くらいと60は越えている2人の女性。

その人達の存在を知っているお客さんは、わざとこの時間帯にやって来るみたい。



小さな交差点にやってきた1台の車。

信号も対向車もいないのに、スピードを落とし停車。

タイヤが止まりきらないうちに、歩み寄った2人の女性が運転席のガラスを叩く。

慣れたように運転手となにやら言葉を交わし、60代の女性を乗せてどこかへ走り去っていった。

あとから聞いた話なんだけど、売春のあっせんなんじゃないかって。

こうやって紹介者を乗せて、女の子を紹介することってあるらしい。

まあ、当時の私はそんな事も知らずに「オバサンの逆ナン?」なんて、コインパーキングに停めた車の中から観察していた。

時間になったので、待ち合わせのお店へ向おうと車から降りて歩いていたら、ちょっと高級セダンが私の横を通りかかった。

私の横で減速するセダン。
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