実話、私は風俗女性記者でした!
「お疲れ様~。そして、私はお先に失礼しまーす」

何食わぬ顔で帰ろうとすると、ヒゲさんがドアの前に立って通してくれない!

「取材のあとに、飲んできたんですか?」

「少しね。あのさ、さっきの話なんだけど、俺――」

また、あのマジメな顔になったヒゲさん。

こんな顔して言われると、本気だと勘違いしちゃうじゃない。

「あのさ、俺――。わあっ!」

続きを言おうとしたヒゲさんの体が中に浮いて、吹っ飛んだ。

そのまま、床に倒れるヒゲさん。

ドアを急に誰かが開けたらしい。

「へ?」

そこへ顔を見せたのは、ヒゲさんと同行したカメラマンだった。

「おー、サキミちゃん。俺たち、スッキリしてきちゃった~」

「え?」

「だからさ、たまにはお客として」

「そんな報告要らんわっ!!!!」

私は、恥ずかしくてその先を聞く気にならなかった。

文章では散々書いているのに、実際に聞くと生々しくて恥ずかしい。



< 17 / 42 >

この作品をシェア

pagetop