実話、私は風俗女性記者でした!
「だから、お給料の倍出すって。だから、ウチにどう?」

「はい?」

話がよくみえなかった。

だって、私、自慢じゃないけどブスだよ?

体型だって、お世辞にもナイスボディーなんて言えないし。

「サキミちゃんみたいな、話が上手な子欲しいんだよね」

あ……そういうこと。
どーせ、私はトークだけですよーーーーだ。

でも、私には風俗の仕事はむかないなー。

「いやー、私には無理ですよ。トークができても、可愛くないと」
営業の顔をつぶさないように、怒らせないように、やんわり断る私。

「いいんだって。トークだよ、トーク」
やたら、ねばるオーナー。

何でもいいけど「いやいや、可愛いよ」の言葉くらいちょうだいよ。

「ブスなのは知ってるし、仕方がないんです」って言っているようなもんでしょ?



結局、やんわりと断り続け、逃げるように帰りました~。
でも、倍かぁ……頭の中で計算機たたく音が……。

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