夢の世界でキミと、待ち合わせ。
1章
・古谷侑李って人
「…え〜?それで?」
「えっとね〜…」
人間って、本当に不公平に生きていると思う。
1人1人に人権があるやら、人種差別禁止やらあるはずなのにこの世は不公平に作られている。
「えー今日は来月にあるクラス親睦会の班決めをします」
ある日のホームルーム。
担任の陽気な声が教室に響き渡った。
「えー基本男女3人ずつ計6人で組んでね」
担任はそれだけ言うと教室を出ていった。
…まあ、めんどーなことに巻き込まれないためだろうね。
担任は、自分の地位ばっか気にしているような人だし。
なーんて考えてると周りはあっという間にグループを組んでしまっていた。
我ながら凄いななんて感心している。
だって私たちは…まだ高校に入学して2週間くらいしか経ってないのに。
そんな私は、夢野 胡桃(ゆめの くるみ)。
自分で言うのもなんだけど、結構消極的な性格。
と、いうかまず馴れ合いが得意じゃない。
人間付き合いが上手くできない。
だから、こーいう班決めとかは苦痛の時間。
特に、今は。
出会って間もないクラスメイトと話すなんてハードすぎる。