夢の世界でキミと、待ち合わせ。
『…やっと、繋がった…』
安堵のため息を電話越しにしている。
「…あの、夢野は今、熱で寝込んでるんですけど」
『…男?
…お前、誰?』
電話に出たのが夢野のじゃないことに驚いているらしい。
「…誰って、夢野のクラスメイトだけど」
『…なるほどな。
んで?なんでクラスメイトのお前が胡桃の家にいるわけ?』
「看病だけど…文句あんの?」
『いやいや、文句はないよ。
ああ。申し遅れたね。オレは蓮見 理人(はすみ りひと)だよ。
よろしくね』
蓮見…理人…。
ソイツは紛れもなく俺らの通う高校の3年だった。
『もー1年は校外学習じゃないの〜?
君は、行かなかったの?』
「夢野が、行けないから…」
まさか、夢野がいないから行きたくない、なんて口が裂けても言えねぇ。
『ふーん?そうなんだ。
まあまあいーんじゃない〜?
でも、さ…胡桃に変な真似はしないでね。
いちお、オレ…胡桃の彼氏、だからさ』
「……は?」