夢の世界でキミと、待ち合わせ。


けれど、ある日。

『…っ、……ぁっ…』

過去のあれを思い出してしまって嗚咽していた私を

『何泣いてんの。

泣くなって』

そう言ってキスをされた。

付き合ってもないし、好きな人でもない人からの突然すぎるキス。

もちろん、思考は停止して何が起きたのかさえすぐには理解出来ずにいた。


『…んで、……キス、なん、か…』

やっと出せた言葉に対して理人は特に悪びれずに

『別に。

キスしたくなったからしただけ。

それに、忘れた?オレはお前のこと好きなんだし』


『…だからって…キスなんか…』

…ただでさえ、はじめてのキスだったのに。



『オレはオレのやり方でやっただけ。

別に減るもんじゃなくね?キスなんて』

理人にとったらキスなんて、どーでもいいことなのかもしれない。


まあ、あたりまえか。

イケメンでカッコイイって噂されてる他に、女の子好きで来る者拒まず、去るもの追わずって噂もされているのだから。



『なんで、私に…執着するんですか?』


じっと見つめてきた理人に聞いた。


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