夢の世界でキミと、待ち合わせ。
…まあ、そうでなければこんな私のとこになんて来ないだろう。
「別に正直に言っていいよ。
私は、気にしないし」
「あ…えっ、と…確かに組む子は…いなかったの……。
け、けどっ…、あの…夢野さんと、話してみたかったから……」
オドオドしながらも答えてくれた桃木さん。
そんな姿がすごく……嬉しくて。
「……そっか。ありがとう」
「…!う、ううん…」
なんて2人でそーこーしているうちに辺りはもうグループを組んで話に華を咲かせていて。
もう私たちが組む子達が居ないような雰囲気が出ていた。
「……桃木さん、組む相手居ないかもね」
「…う、…うんそうだ、ね……どうする?夢野さん?」
「……胡桃でいいよ。私も、理沙って呼ぶからさ」
「…っ、いい…の?」
「別にいいよ」
「ありがとう、胡桃ちゃん!」
ニコって笑う彼女。
女の自分でさえ不覚にもドキッとしてしまった。
そんな時。
「あっ、夢野さんと桃木さんまだ組んでない系?
なら、うちと組まない?ね、いいよね侑李!」
そう言いながら近寄ってきたのは、男子と仲がいいってイメージのクラスメイト…森重咲良(もりしげ さくら)さんだ。
そして、侑李と呼ばれた彼は入学式の時から学年の女の子から騒がれていたイケメン…古谷 侑李(ふるや ゆうり)だ。
「別に構わないけど。な?達也と龍斗?」
「おう!もちろん」
「俺もいーよ」
森重さんたちが私と理沙の周りを囲み始めた。
…あれ、達也と龍斗って呼ばれた男子も結構イケメンって騒がれてた人達…だよね?
「…あ、胡桃ちゃん…どうする?」
「いいよ、入れてもらおうよ」
「う、うん…あのっ…森重さんお願いします…」
「もー森重さんなんて肩苦しいよ〜。
咲良でいいよ?胡桃と理沙!」
にって笑って両手を私たちの前に差し出した森重さん。