夢の世界でキミと、待ち合わせ。
「……っ、はっ……」
ダメだ…落ち着かないと。
心配かけちゃう…!
「……夢野。落ち着いて。
大丈夫……なんも…怖くねぇから…」
サッと背中をさすってくれる侑李くん。
「……っ、…りがとう…侑李、くん…」
「ううん…気にしないで。
落ち着くまで俺がそばにいる…」
ードキッ
不覚にもドキッときてしまった。
こんなカッコイイ容姿の彼に"そばにいる"なんて。
どんな子でもドキッとくるのは当たり前だよね。
しばらくして。
侑李くんが落ち着かせてくれたからなのか少しばかり気持ちが軽くなった。
けれど、いつまた…あれがフラッシュバックしてくるかなんて分からない。
唐突にまた…こうなるかもしれない。
「…落ち着いた?夢野」
「……うん、ありがとう…侑李くん」
「別にお礼なんていーよ。
……でも急にどうしたの?」
「……ちょっと嫌なこと思い出しちゃって」
この話は。
まだ、彼に話すことは出来ないし、話したくもない。
「…そっか。
…嫌なことは聞かないけどこれだけは覚えておいて?
俺は、もし世の中の奴らがお前の敵になったとしても俺は、夢野の味方だからさ」
「……え?」
なんで、そんなに…優しくしてくれるの…?
今日初めて話したのに。
けど、"侑李くんはなんでそんなに優しいの?"なんて今日話したばかりの彼に聞けるわけがなくて。