雷王に愛された花

私、ミレイ・クリルレイ・ヘレナはクリルレイ王国の
第１王女でお母様譲りの黒髪とお父様譲りのオリーブ色の目が特徴の１７歳。

この国のレディの婚期は１５歳からなので行き遅れとも
言えるような年齢なの。

でも私は訳あって３年前から社交界に出ていないので仕方のないことね。

私のお母様は私が７歳の時に体調を崩してそのまま
亡くなってしまったの。

それにお父様は３年前に事故で亡くなった。そう、３年前とはお父様が亡くなった時。

私のお義母様となった方は隣国の第２王女様で、亡くなった私のお母様をとても嫌い、同じ髪色の私も同じように疎まれていたの。

お父様はお母様に一目惚れして何度も何度もアタックしてようやくお母様が受け入れたけれども一応許嫁としてお義母様がいたらしいの。

そこで両国を説得して、伯爵令嬢だったお母様と結婚した。

お母様が亡くなってすぐにお義母様がいらしてあっという間に婚約して私はこの山の中にある離宮に追いやられたの。

お父様が猛反対してくれたけれど、私としては毎日ひどい
嫌がらせを受けてお城で暮らすよりもお母様との思い出が残っている離宮にユリンを含めた使用人３人と暮らしている方が幸せだと思ったの。