雷王に愛された花
「ここ?でも、、、ここは、、、」

「知ってる。だから来たんだ。一点物の宝石店だろ。入るぞ。」

「ちょっと私、初めて入るんだけど、、、」

「買ってもらったりしてないのか?」

「お父様は出入りの宝石商に注文していたから。」

「なるほどな。こういうものは職人がその場で作ってくれるんだ。」

「へぇ、すごいのね。何を買うの?」

「んー、ピアスかブレスレットか。迷ってるんだよな。」

「クリスが付けるのよね?それとも誰か女性にプレゼント?」

「あれ?伝わってなかったのか?どっちがいい?って聞いたつもりだったんだが。」

「え!?私に??」

「俺を助けてくれて、ありがとうって意味だよ。お礼に。」

「そんな、お礼をもらうことじゃないわよ?」

「いいから。デザインのパターンを選んでくれよ。」

「いいの?うーん、私ピアスがいいなぁ。」

「んー、こういうの似合いそうだな。」

「確かに大振りのよりは小さくて軽い方が好きだけども。でも、高いわよ!これ。見たことないような宝石の色なんだもの!!」

「ミレイ、おまえの誕生石だよ。俺の国のな。北部では鉱山で希少な宝石が採れるんだ。」
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