雷王に愛された花
結婚式まで後ちょうど2ヶ月のある日、、、、



「ミレイ・クリルレイ・ヘレナ様にお目通り願います。」

「何の用でございましょうか。」

「我がバングラデシュ王国の新王ロイ・フィリオ・クリス・3世様の妃となることが決まりました。速やかに支度をしていただきたく存じます。」

「っ!!分かりました。すぐに呼んで参ります。」


「ミレイ様、こちらのドレスにお着替えください。」

「誰か来たようだけど何かあったの?」

「はい。詳しい説明は使者の方から聞く方が早いかと。」

「え?分かったわ。行きましょう。」




「遅くなってしまい申し訳ありません。ミレイ・クリルレイ・ヘレナと申します。」

「バングラデシュ王国から参りました。新王の妃となることが決まり、クリルレイ王国の王妃からも承諾されましたので、我が国へお送り致します。」

「少し急過ぎませんか、、、?お義母様は本当に許可を?」

「すみません。王があまりにも急かすもので。無理を言ってしまい申し訳ありません。王妃様はこちらの条件をお飲みになりましたので。問題ありません。」

「条件とは、どんなものでしょう。」

「貴女様を妃として差し出すか、我が国の属国となるか、という条件です。」

「それはあまりにもひど過ぎませんか?」

「それほど王は貴女様を望んでおられます。」
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