雷王に愛された花
「ユリン、私まだよく分かっていないのだけど、、、これで良かったのかしら。」

「はい。私もついて行きますので。安心してください。」

「それは嬉しいわ!でも、、、」

「乗り気ではないですね。クリス様がおられるからですか?」

「え?えぇ、そう、だと思うわ。私にとってはクリス以外なら誰でも同じですもの。あんなに一緒にいて安心できる人はいないわ、きっと。それに、雷王なんて呼ばれているのよ?きっととても怖い方に違いないわ。」

「その点はたぶん大丈夫ですよ。」

「そうなの?うーん、どうしても不安なの。」

「会ってみたら分かりますよ、大丈夫です。」

「もう、考えていても仕方ないわね。

靴とドレスの組み合わせはどうしたらいいかしら。」

「華やかさではこちらですが、ミレイ様はこちらのシンプルなデザインの方がいいかと。」

「そうね。肩から手首までのレースの柄が本当にキレイよね。このドレスにあう靴はこれかしら?」

「はい。いいと思います。装飾は、、、首周りはこちらとこの新しいものを組み合わせましょう。耳元はミレイ様、いいものをお持ちですよね?きっと合うと思いますよ?」

「もう。そんなにニヤニヤしないでちょうだい。でも、合うわね、これとドレスは。これで全部よね?メイクボックスは全て持って行きましょう。」

「はい。そろそろ参りますか。ミレイ様、手鏡も忘れずにお持ちくださいね。戻って来れるか分かりませんので。」

「そうよね、ちょっと一周してから行くわ。ごめんなさいね。思い出を振り返りたいの。」
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