雷王に愛された花
出発してからもう、4時間。テガンとマーサにお別れをしてきたのがもう何日も前のことのように思えるわ。
慣れ親しんだ森を抜けて久しぶりに王都を見たと思ったら。そこからはあっという間に国境の山にたどり着き、馬車から馬に乗り換えて、山道をどんどん登って、今は頂上付近の休憩場所。
馬の上の振動が残ってて、自分で立とうと思っても立てないので、今は近くのベンチまで運んでもらって座っているの。
馬を操ってくれているのはロキ、という騎士団の人で若いのに、白虎と呼ばれる精鋭部隊の副隊長だそう。馬に乗っている間も、ずっといろんな話をしてくれた。すごく明るい人。
ユリンは今、荷物をもう一度くくりつけているみたい。意外にも元々は山育ちで自分でも馬に乗れるくらいだったそうで、すごく楽しそう。
ロキいわく、王様は頂上付近の雪が溶けるのを待って迎えを使わせたみたい。気遣ってくれているようで、聞いたときは驚いたわ。
「ミレイ様、そろそろ出発ですって。行きましょう。」
「えぇ、よろしくお願いします。」
「掴まってね。ほら。」
「この運び方、どうにかならないかしら、恥ずかしいわ、ロキ。」
「お姫様を抱っこするならお姫様抱っこじゃないとね。」
「下ろしてくださいー。」
「って言ってる間にもう馬の前だけどね。乗るよ。」
「あぁ、怖い。乗る瞬間が怖すぎるわ。」
「ごめんね、後は降りるだけだから。それに下り坂は馬がつまずくと悪いからゆっくりなんだ。そんなに膝に負担がいかないと思うよ。」
「そうなの?ありがとう。」
慣れ親しんだ森を抜けて久しぶりに王都を見たと思ったら。そこからはあっという間に国境の山にたどり着き、馬車から馬に乗り換えて、山道をどんどん登って、今は頂上付近の休憩場所。
馬の上の振動が残ってて、自分で立とうと思っても立てないので、今は近くのベンチまで運んでもらって座っているの。
馬を操ってくれているのはロキ、という騎士団の人で若いのに、白虎と呼ばれる精鋭部隊の副隊長だそう。馬に乗っている間も、ずっといろんな話をしてくれた。すごく明るい人。
ユリンは今、荷物をもう一度くくりつけているみたい。意外にも元々は山育ちで自分でも馬に乗れるくらいだったそうで、すごく楽しそう。
ロキいわく、王様は頂上付近の雪が溶けるのを待って迎えを使わせたみたい。気遣ってくれているようで、聞いたときは驚いたわ。
「ミレイ様、そろそろ出発ですって。行きましょう。」
「えぇ、よろしくお願いします。」
「掴まってね。ほら。」
「この運び方、どうにかならないかしら、恥ずかしいわ、ロキ。」
「お姫様を抱っこするならお姫様抱っこじゃないとね。」
「下ろしてくださいー。」
「って言ってる間にもう馬の前だけどね。乗るよ。」
「あぁ、怖い。乗る瞬間が怖すぎるわ。」
「ごめんね、後は降りるだけだから。それに下り坂は馬がつまずくと悪いからゆっくりなんだ。そんなに膝に負担がいかないと思うよ。」
「そうなの?ありがとう。」