洗脳されていたことに気付いたので逃げ出してスローライフすることにします。－元魔王四天王の村娘ライフ－

「さてと」　

私は自室のたたみの上に胡座をかいて部屋の中を見回した。

私の部屋はつい最近模様替えしたばかりのじゅんわふう仕様だ。床はたたみ敷きだしドアはふすま。
家具はたんすにちゃぶだいに、わざわざ作った床の間には自作の掛け軸だって飾ってある。

そこに墨で書いた文字が『魔王様最高』なのは今となっては黒歴史の一つだけど。

さっさと身支度して逃げ出すとして、必要なものはなんであろうか。

持ち出そうと思えばこの屋敷そのままだって持っていくことはできる。

私の空間収納魔法はやろうと思えば街一つ分ぐらいは入らなくもない。収納する量と重量によって必要な魔力量が増えるから、そこまですることはこれまでなかったけど。

「いやでも目立つしなぁ」