洗脳されていたことに気付いたので逃げ出してスローライフすることにします。-元魔王四天王の村娘ライフ-
大きめの岩を探しているのだ。

が、草原にはたいして大きな岩はない。

「仕方ないなぁ」

私は空間収納魔法から小さな魔鉱石を一つ取り出して地面に置いた。

「『合成』」

赤く光る魔鉱石に周囲の土くれが集まって一塊になっていき固まっていく。
見る間に私の背を越すほどの巨大な岩の塊が出来上がった。

「『創造』」

頭の中でイメージを膨らませていく。
思い浮かべたのはアニメで見た『どらごん』。
なんでってなんとなく格好いいから?

岩の塊がいったん融解して形を変えていく。
巨大な蜥蜴に羽根の生えた岩の『どらごん』。

岩だから『どらごんゴーレム』って感じだろうか。
でもこれではまだただの『どらごんゴーレム』の彫像だ。

私は『どらごんゴーレム』の顔にフゥッと息と共に魔力を吹き付ける。

ええと、『どらごんゴーレム』だから、『ドラゴ』でいいか。
ま、適当でいいやね。

「『ドラゴ』」

名を呼ぶと、『どらごんゴーレム』こと『ドラゴ』はゆっくりとその目を開けた。
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