【完】大切な人なんて作っちゃダメだったのに。
菜乃花に嫌われてると知ってても。
俺には菜乃花しかいないし、菜乃花以外考えられない。
だから、未だに独身だ。付き合ったことも無い。
菜乃花といた時間は少ないけど、こんなに好きになったんだ。
あんなに魅力的だった菜乃花がなんで⋯⋯。
「湊、くん⋯⋯?」
後ろから声をかけられる。
「あ⋯⋯菜乃花さんのお母さん⋯⋯こんにちは」
「こんにちは。良かったあえて」
どういうことだ?
「あなたに渡したいものがあるの。それを届けるために来たわ。湊くんなら今日来ると思って」
そう言って渡されたのは
「封筒⋯⋯?」
「ええ。菜乃花のカバンの中に入ってたの」