【完】大切な人なんて作っちゃダメだったのに。



って何言ってるの自分。何勝手に肯定しちゃってるの。



そう焦った時既に遅し。



「まじ?やった!じゃあ菜乃花、また明日な!」



嬉しそうにしながら帰って行った。



⋯⋯なんだったんだ。



そんなに私を下の名前で呼んで嬉しい⋯⋯?




んんー。そんなことないと思うんだけどな。




玄関を開ける。




「ただいま」



そう言ってもいつもの様におかえりなさい、は帰ってこない。




この家に帰るといつもひとりぼっち。



いつも孤独。ここで死んでも夜中に帰ってくる両親が驚くだけ。



どうせ、悲しんだりしない。



なら、いっその事はやくタイムリミットが来て欲しい。



そんなことを願いながら、今日も1人で寝た。




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