【完】大切な人なんて作っちゃダメだったのに。
なんか、こうやって他愛のない会話するのって和むよね。
「あ、ここなんかいいんじゃない??」
一歩先を行ってた美奈が言う。
「なんか雰囲気ある」
「ねー!京都って感じするよねー!」
「よし!入るぜ!抹茶ー!」
歩くん、そんなに抹茶好きなんだ⋯⋯。
「ふふ」
なんか、可愛い。
「⋯⋯菜乃花。入るぞ」
「あ、うん」
んー、なんだろう。ちょっと機嫌悪い?湊くん。
「湊くん?」
「ん?」
あ、いつも通りだ。うーん。気のせいかな。
「ううん。なんでも」
「なんだよ、それ」
普通に笑ってるし。大丈夫かな。