【完】大切な人なんて作っちゃダメだったのに。
自然な感じでくるっと方向転換。
売店でなにか買おうと思ってたけどそんなのはもう出来ないし。
急いで病室に戻らなきゃ。
だって、多分私だって疑問を持ってるだけ。
私の声もきっと届いてないから。
うん。大丈夫⋯⋯
「菜乃花ちゃんっ」
「⋯⋯」
じゃなかった。
もう諦めて歩くんに向き直る。
「えっと⋯⋯久しぶり⋯⋯だね」
何をいえばいいかわからないし。でも沈黙も嫌だし。
「なんでここにいるか聞いてもいい?」
「いいよ」
大体は察してるだろうし。
「ここじゃあれだから、ついて来て」
そう言って、私の病室へ案内する。
こういう時に個室ってすごく、気が楽。