【完】大切な人なんて作っちゃダメだったのに。



「そっか。じゃあ、今日は休んで。また来る。その時に話を聞かせて?」



どうしたんだろう⋯⋯?



「う、うん?」



「でも、安心したわ。案外近くにいて!」



「そう言えばなんで歩くんはいたの?この病院に」



「あれ、言ってないっけ。俺の父親ここの院長やってるんだよなー!」



「へぇ、すごい」




「だろう!?自慢なんだ」



自慢⋯⋯か。



私の親なんて絶対自慢出来ない。




「そうなんだ」



「あ、俺帰るんだった!またな!」




「うん」




この病室に来た意味。




全くなかったじゃん。




というか、歩くんにあっちゃうなんて⋯⋯。



病院内は絶対に合わないと思ってたのに⋯⋯。



そういえばこの病院、村瀬総合病院って名前だった気がする⋯⋯。



< 86 / 110 >

この作品をシェア

pagetop