チャラ王子に捕まりました。
なるほど、そうだったのか。
だからわざわざクラスまで。
…って。
「お、お家…?」
「そうそう。あ、気になる?」
なんてなにか企んでいるような笑顔を見せる水沢さん。
「え…?!いや、あの…」
気にならないと言ったら嘘になってしまうけど、果たして私なんかが晴琉くんのプライベートを聞いてしまっていいのかな。
いつもながらどう答えるべきか迷ってしまう。
「おい、水沢」
「わっ…!?」
返答に困り黙っていると、聞き馴染みのある声と同時に頭に大きな手が乗っかった。
その手がまるで小さな子どもをあやすかのように、優しく撫でてくれる。
「これ以上ひなちゃんをいじめるなよ。困ってるだろ」