チャラ王子に捕まりました。


「これ以上って…、私がいつ栗山さんをいじめたって言うのよ。私はただ晴琉がなんでここにいるのか聞かれたから答えてただけだし」



「え?ほんとに?」



首を傾げ尋ねてくる晴琉くんに、コクコクと頷く。



えっと、その…嘘ではないよね?



「ふぅ…なんだ。よかった。ひなちゃん、茹でダコみたいに顔赤くしてたから、てっきり水沢にいじめられてるのかと思った」



茹でダコ…っ!!



そ、そんなに赤くなってたかな?



恥ずかしすぎる…と今更ながら両手で顔を隠してしまう。



「そ、そんな…////」



「クスッ…ほんとはこれ(楽譜)貰ってさっさと帰るつもりだったんだけど、ひなちゃんに会えたから来たかいあったかも」



なんて王子様スマイルを見せながら、右手に持っているものを掲げる。



「ヴァ…ヴァイオリン協奏曲?」




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