チャラ王子に捕まりました。
「あー、ごめん。夏休みのせいで久しぶりにひなちゃんに会ったから調子乗った。俺に触られるのそんなに嫌?」
ほっぺたをわざとらしく膨らませ、拗ねているような表情に思わず焦ってしまう。
「あ、あの違うよ…!嫌とかじゃなくて、えっと…その、男の子とあんまり話したことがないから…き、緊張しちゃって…」
晴琉くんはこんなに私に話しかけてくれるのに、慣れてないせいか男の子って変に意識してしまって上手く話せない。
それでも晴琉くんは私の言葉をゆっくり待っててくれる。
だから、いつも疑問なんだ。
私と話すのなんてきっとつまらないはずなのに、どうしていつも話しかけてくれるんだろう…って。
「クスッ…へ〜、嫌じゃないんだ。良かった」
少し考えるような素振りを見せたあと、嬉しそうに無邪気に笑う晴琉くんに胸がドキッとなる。
「…え?」