チャラ王子に捕まりました。
「ふぅ…」
予想以上に頼まれた仕事が多すぎて、結構時間かかってしまった。
いや、きっと私の手際の悪さも問題なんだろうけれども…。
どうしよう、こんな時間になってしまった。
早く帰って勉強しなきゃなんだけど、出来ればピアノも弾いて帰りたい。
うーん……。
悩んだ末、少しだけでも…と結局ピアノを弾いて帰ることにし、レッスン室に向かう。
レッスン室のある棟につき、奥のレッスン室へと足を進めていると、奥の方から微かに演奏が聞こえた。
レッスン室は防音になっているけど、どうしても少し音が漏れてしまう。
それにテスト期間だからか、誰もレッスン室を利用していないため、静かな空間には余計に目立つもので。
「あれ?この音…ヴァイオリン?」