チャラ王子に捕まりました。
正直ヴァイオリンの事はあまり詳しくはないけれど…、そんな私にも分かるくらいすごく上手い。
そんな音に導かれるように足を進めていくと、一番奥の”あの“レッスン室の前に着いた。
いけないと分かりつつも、ついこの音の正体が気になってしまいドアについてる小窓から覗いてみる。
「うそ…」
その“音”の正体を知り、慌てて隠れるようにドアの前にしゃがむ。
は、晴琉くん…だよね?
そういえばこの曲、メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲 ホ短調 作品64の第1楽章だ。
確か、このまえ晴琉くんが本選で弾くって言ってた曲。
もしかして、用事ってこの事だったのかな?
きっと、コンクールが近いからテスト前でも関係ないんだ。
それにしても、上手い。
さすがとしか言いようがないないほど、レベルの違いを感じさせられる。