チャラ王子に捕まりました。
だから、私もちゃんと伝えなきゃ…
自分の気持ち。
「わ、私も晴琉くんが話しかけてくれて嬉しいよ!いつもありがとう!」
少し大きめで叫ぶと、一瞬驚いた顔を見せたがすぐにクスッ…と笑った晴琉くん。
「やっぱひなちゃんって可愛いね」
「…へ?!」
慣れない言葉にすぐ顔が赤くなる。
「ほら、そういうところとか。なんかそういう反応見ると、ついいじめたくなっちゃう。さっきひなちゃんのピアノ俺、面白いって言ったでしょ?あれ、別に悪い意味で言ったんじゃないからね?」
「え?」
「俺が面白いなって思ったのは、ほらコンクールで求められるのってさ、表現とか技術とかそういうのも含めてその作曲者は何を伝えたいのか、どういう思いで弾くべきなのかとか、要はいかにその作曲家になりきって演奏できるかことでしょ?」