クールな彼のニセ彼女


「ねえ美保。今日から何月だと思う?」


月曜日。ちょうど、月曜日。

じめじめとした梅雨のはじまり。

窓の外から湿った空気が、肌を滑る。


「ろ、6月…です」


目線を目の前の親友に合わせられず、ごもりながら答えるわたし、成川美保(なるかわみほ)。


そして、真正面で笑顔を浮かべている彼女の名前は原ミカコ(はら)。

ベリーショートがチャームポイントのボーイッシュな女の子。


笑顔のはずなんだけど…目が笑っていない、ミカコさん。


それもそのはず…。

「同じクラスになったからにはアタックするって言ったのはどこのだれだっけえ!?」


「ひいっ」


ついに本性を現した、怒ると怖いミカコ。わたしのために怒ってくれてるんだけどね。


「み、ミカコあのね?わたしはもう同じクラスになれただけで十分っていうか…」


「まーたそんなこと言って!!いつまで片思い続ける気よ!!」


みなさん、だんだんと状況をつかめてきましたか?


そうです、わたし成川美保には好きな人がいるのです。


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