クールな彼のニセ彼女
月曜日
月曜日。
今日の月曜日は、一味ちがう。
まだ、金曜日の出来事の余韻が残ってる。
長すぎるって?
ううん、そんなことない。
土日のあいだも、ずっと町田くんのことが頭から離れなかった。
いつもの土日は、少しはおやすみするの。
だけど今回の土日は、そうはいかなかった。
町田くんが繋いだわたしの手のひらには、はっきりと彼の感触が残っているの。
大きな手のひらだったなあ…。
ミカコにはまだ金曜日の放課後の出来事は話していない。
今日直接言おうと思うんだ。
“ビッグニュース!!月曜日話すね!!”ってメールだけしたんだ。
“なになに!?楽しみにしてる!”って返信があったから、今日登校したら真っ先に聞いてくるにちがいない!
うふふ、話すのでさえ楽しみ。
だって、たった数十メートルでも、たった数十秒でも、町田くんの彼女のフリをしたんだから…!
本物の彼女なんて、そんな夢みたいなこと叶うわけないけど…ニセの彼女にでも、なれてわたしは嬉しかったんだ。