クールな彼のニセ彼女
「…や……………」
やってしまったー!!!
つい、うそをついてしまった…!!
壁に頭を打ち付けたい気分だ。
てゆか、アキちゃんなんか最初から信じこんでたし…。
でも、もしほんとのことを言えば、あのリナっていう子が町田くんのストーカーになってたかもしれないから…。それだけは阻止したかった。町田くんに迷惑かけるのだけは、許せないから。
アキちゃんは秘密にするって言ってくれたし、あとはミカコの誤解を解くだけ…!
そうすればなかったことにできる。
リナっていう子が言いふらすっていう危険もあるけど…彼女持ちには興味がないらしいからもう関わらないと思うし、学年も違うしきっと大丈夫だよね。
よし、さっそくミカコのところに行かないと!
わたしは急いで教室へと足を向けた。
そして、教室の扉を開けたことを、すぐさま後悔する。
「美保ちゃん!!町田くんと付き合い始めたんだって~?」
「いつからいつから!?」
「どっちが告白したの~!?」
突然女の子3人に取り巻かれ、興味津々の瞳を向けられた。
…………恐れていた事態が発生したことを、わたしの脳は理解した。
ミカコが女の子の後ろに立って“ごめん!”という顔をして手のひらを合わせている。
きっとわたしが登校したときにミカコが言っていたのが聞こえたのだろう。