クールな彼のニセ彼女


「美保、今さら顔赤くなってどーすんの!」


ミカコに小声で突っ込まれた。


「び、びっくりして……!!」


「ふたり、付き合ってからも教室で話してなかったもんね。ついに町田彼氏感出してきたね~!」


“彼氏”という言葉にますます頬の熱がおさまらない。


彼氏……町田くんが、わたしの彼氏。


あんな素敵な人がわたしの彼氏なんて、たとえニセだとしてもドキドキが止まらない。


昼休みが終わり、午後の授業中、わたしは町田くんを好きになったきっかけを思い出していた。

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