クールな彼のニセ彼女


誓った……はずなのに。


現在、告白どころか、せっかく同じクラスになったというのに話しかけたことすらない意気地無しなわたし。


クラスメイトにすらなれていないかもしれない。


わたしの町田くんへの気持ちは、日に日に募るばかりなんだけど…。


毎朝ミカコと廊下に出て、窓から町田くんが登校してくる姿を眺めて…そして、教室へと入って行く後ろ姿をチラ見している。


ああ、我ながらTHE片思い。


もう2ヶ月も経てば、町田くんが外からいつ教室へたどり着くかのタイミングも分かってしまうという末恐ろしさ。


…あ、階段をのぼるこの足音は、きっと。


ほら、やっぱり…っ!!

「あ、町田おはよーっ」


「…はよ」


………えっ?


「ち、ちょちょ!ミカコ!」


町田くんが教室のなかへと入っていったのを確認してから、すかさずミカコにツッコんだわたし。

今!!ミカコが!!町田くんにあいさつしたの!!


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