クールな彼のニセ彼女


「もう、美保のばか!なんで今わたしに続けておはよって言わなかったの!?」


「いきなりすぎて追い付けなかったの!!言うなら言うってゆってよ~!町田くんいきなりあいさつされてびっくりしてたじゃん!」


「でもちゃんと返してくれたよ?嫌がってる様子もなかったし」


「そ、それはそうだけど…」


だけど、それはミカコからだからだよお!ミカコみたいにフレンドリーで明るい子にされたから違和感なかったんだよ!

もしわたしがしたら、不思議がられるにちがいない…!…そう思うとますます勇気が出ないんだ。

ただ、おはよって言うだけなのに。


片思い。

これまで2年間、片思いしてきた。

この1年も、きっと…片思いで終わってしまう。

それも、伝えられない、まま。


盗み見する技だけが、磨かれていって。


いつになったら、わたしの勇気は芽生えるのだろう。

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