君が笑ってくれるなら、それでいい。〜君のいない世界〜
何で、て。

それは、美桜に悲しんで欲しくないからで—

「私、弱かったんだね。優希は、私が悲しむってわかってるから、言わなかったんでしょ?」

(違う違う、違う!)

美桜は弱くなんてない。

僕が見てきた誰よりも強い。

たしかに、悲しませたくないから言わなかった。

でも、本当に、美桜は弱くない。

多分、弱いのは僕。

言わなかったのは、美桜に言って、美桜が離れて行ったらって思うと怖かった。
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