君が笑ってくれるなら、それでいい。〜君のいない世界〜
もう、声は出ないけれども。

体は動かないかないけれども。

意識が遠のいて行くけれど。

それでも、君に伝えてもいいだろうか。

この先に僕らの未来がないとしても、伝えてもいいだろうか。

僕の、最後の言葉を。

美桜は、聞いてくれるだろうか。

でも、たとえ聞いてもらえなくてもいい。

僕が言いたいだけ。

そう、聞いて欲しいだけだから。

美桜が笑うか、泣くか…簡単に予想はつく。

「み…お…」


「愛…して……る…」


全身から力が抜ける。

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