君が笑ってくれるなら、それでいい。〜君のいない世界〜
「えっ……」

「私そんなに信用ない?」

美桜の瞳からどんどん涙が溢れてくる。

「なんで優希は教えてくれないの?私だって知りたいのに!」

「美桜!」

「なんでよぉ〜!!」

わんわんと泣き出した美桜を見て、先に帰るね、とこっそり僕に言って穂希は病室から出て行った。

「美桜、落ち着いて?」

「そしたら優希は私に話してくれるの?」

「ええと…」

「話してくれないの?」

だって、思い出してもろくなことがない。

「…後悔するかもよ。それでもいい?」

「うん」

「そう…いいよ、話してあげる」

君が失ってしまった、僕と君の過去を。
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