君が笑ってくれるなら、それでいい。〜君のいない世界〜
日を追うごとに美桜の顔にあざは増え、笑うことも少なくなった。

そして、あの事件が起きた。

美桜をはねたのは一台の乗用車。その中に乗っていたのは、お酒に酔った——美桜のお父さんだった。

今回のように、美桜だけを狙って。

偶然その時、僕も近くにいた。

白黒公園で集まる約束だったから。

事故は白黒公園の近くであったんだ。

僕はすぐに駆けつけて、美桜の近くに行った時、美桜はこう言ったんだ。

『もう、許して……』

美桜がそう言った時、今まで僕は何をしていたんだろうと思った。

こんなに美桜の近くにいたのに、美桜を救ってあげることができなかった。
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