君が笑ってくれるなら、それでいい。〜君のいない世界〜
「そうですか?」

「ええ。私はそんな風にはきっとなれない」

「……着きました」

「わ、凄い…」

特別室の中には、たくさんの機会があった。

そして、一つのベットの上で本を読んでいる男の子がいた。

その男の子は、本に集中してこっちには気づいていない。

「私はこれで失礼しますね…華木さん」

「はい」

「後悔だけは絶対してはいけませんよ?」

そう言って優しく笑った看護師さんは、どこか優希に似ていた。
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