君が笑ってくれるなら、それでいい。〜君のいない世界〜
「あ、あのさ、優希…?」

「えっ……?」

私を見た瞬間、優希はよほど驚いたのか、持っていた本を落としてしまった。

「なんで、ここに美桜がいるの……?」

「看護師さんに連れてきてもらったんだ」

「…あいつッ!」

看護師さんはどこか優希に似ていたけど、もしかして、

「優希の、お姉さん?」

「……そう。僕の姉の希疾(きはや)。この病院の看護師」

「お姉さんだったんだ!どうりで似てると思った」
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