君が笑ってくれるなら、それでいい。〜君のいない世界〜
「離してッ!!」

精一杯力を入れても、男は私を離さない。

「じゃあ行こうぜ。嬢ちゃん」

「ヤダヤダ!離してッ!」

どんなに抵抗しても、男は私を何処かへ連れて行こうとする。

(優希!優希!助けて!)

早くこの悪夢から救ってほしい。

「うッ……」

そう願っていると、2人のうち1人が地面に倒れこんだ。

突然の出来事に困惑する。

「まったく。美桜は相変わらずだよね」

聞こえてきたこの声は、私の大好きな…

「優希!!!」

人だ。
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